遠火で焙煎する、その訳は!?再現性のある焙煎の実現のために!!!

ひでふく珈琲では遠火で焙煎することが多いです。手網の場合は、火加減は固定し距離で調整しているので、スタートや終盤に差し掛かるときには火から20〜25cmという遠火になっています。

遠火で焙煎中

動画でも分かるように、火元からは遠く離れています。なぜわざわざこんなことをしているのか?自動回転式の焙煎機でもわざわざ台を作って遠火にしています。

再現性が得られやすい

圧や排気を調整きちんと調整できる高級なマシンを使っているわけではなく、手網にしても自動回転式にしてもレトロな方法で焙煎をしています。そこで重要になるのが再現性。毎回違った焙煎をしていては運任せな焙煎になってしまいます。「これだ」と思った焙煎を次回も同じようにやりたいわけです。そんな時、火加減を調整するのって異常に難しい。やってみると分かると思いますが、手でノブを回して火加減を調整するのって本当に難しいんです。どれくらい上下したらどれくらいどうなるかさっぱりわからない。それでも火加減でやってる方もいらっしゃるので本当にすごいとは思いますが、私には無理。なので、火からの距離で調整しています。火はマックス固定です。

手網の場合、目の前の壁にレシピと定規を貼り付け、距離もできる限り再現性が得られるようにしています。

昔なつかしの木の定規を貼り付けて高さを一定いしている

そしてレシピには、「スタート〜ゴールドまで◯◯cm、◯分」といったことが書いてあります。直火はそれでも外気温などに左右されてしまいますが、そこは経験でカバー。カバーもしやすいのが遠火の特徴です。

ムラができにくい

遠火による輻射熱は伝導熱に比べると効率がよく焼きムラができにくいです。物理的な難しいことは分からずともなんとなく温熱が上空へ広がって全体を包み込むイメージはできるかと思います。火に近いと、弱火にしていても熱の当たる部分が局所的になってしまいます。豆全体を熱が包み込んでくれてかつ手網を振っていれば近火よりもムラない焙煎が期待できます。

自動回転焙煎機でも同様です。流石にうちのマシンは重くて上下は気楽にはできませんが、台に乗せてあらかじめ遠火に設定しておいて、あとは火加減を調整します。「結局火加減調節するんかい」って話なのですが、近火で調整するより遠火で調整したほうが上手く再現できます。おそらく火の強弱が観察しやすからだと思います。ガスの調整方法や個人によって差はあるとは思いますが・・・ただ、やはり「ムラができにくい」という意味では回転式であっても遠火が良いのではないかと考えております。

結局おいしさにつながる

まとめますと、再現性のある、効率の良い焙煎がしたいがために遠火にしているというわけです。再現性は本当に大事で、自宅で自分で楽しむだけならいいけど、売りたい場合は再現性がないと話になりません。効率を求めるのは特に火が通りにくい豆です。具体的には豆の密度が高くて大粒だったりする場合。そして不揃いの場合などです。例えば当店でも販売しているミトラG1。これは豆が不揃いで水分量が多く密度も高い豆です。油断していると焼きムラができてしまいます。となるとやはり遠火で、かつ回転式のようなダイナミックなシャッフルによって熱伝導は効率よくなるかと思います。

ちなみにですが、ミトラは後半の進みが少し遅めで、仲間でぎっしり系の豆なので注意が必要です。

色々書きましたが、なぜ色々書いたかって言うと、どこかのサイトで「珈琲焙煎で遠火強火とか言ってるやつ馬鹿じゃねえの。炭火じゃないと意味ないっての!」的な記事を目にしまして、「え!?なんでこの人こんなこと言ってんだろ」と思ったのでこちらも記事を書いてみました。確かに火加減を調整できない炭火だからこその遠火の意味なのでしょうけど、少なくとも私にとっては遠火の方が完全勝利なのです。

非常に参考になった、遠火の話がありましたので・・・

→参考URL(https://web.archive.org/web/20210926132058/https://cleanup.jp/kitchen-academy/pdf/02/02-6.pdf

つまりはガスであっても遠火であれば輻射熱で熱の伝わる効率は良いし、遠赤外線的な再現もできるぜ。って話です。正直私は遠赤外線とか難しい話はわかりませんが、遠火を愛用してやみません!絶対に!

コメント

タイトルとURLをコピーしました